ハッカーがAmerica Online社の社員に電子メール・ウイルス“トロイの木馬”を送りつけ、機密扱いの会員アカウント情報に不正アクセスした。同社の広報担当Rich D'Amato氏によると、ハッカーは、アカウント・データを変更しチェックする権限を持っているAOLカスタマー・サービスの幹部社員を狙って“トロイの木馬”を送りつけた。標的になった幹部社員は、何の疑いも持たずメールに添付されたファイルをダウンロードしウイルスを作動させた。 同社の広報担当は、被害に遭ったアカウントの数や他にどのような情報が危険に晒されたかについては明らかにしなかった。しかし「このウイルスで不正アクセスの被害に遭ったアカウントはごく少数だ」とし、直ぐに調査に着手し、法の執行機関に捜査を委ねると付け加えた。 さらに同氏は、AOL社で受信した電子メールはウイルス検出ソフトでスキャンされ、社員に対しても常々、不確かな出所からの添付ファイルは決してダウンロードしないよう指導してきたと述べた。 インターネット・セキュリティ・コンサルタントのRichard Smith氏は「今回のAOL社侵入事件は、世界中のコンュータ・システムに打撃を与えたLOVEウイルスのような電子メール型ウイルスの典型で、目的を達成させるため電子メールの添付ファイルを利用し悪質な攻撃をしかける」と説明し、決して知らぬ人からの添付ファイルを開けるな、とアドバイスしている。