何十というマレーシアの政治関連ウェブサイトが6月11日にハッカーの攻撃を受け、腐った頭蓋骨の図や猥褻なメッセージに書き換えられた。政府高官そして反政府組織のリーダーたちもこのハッカー攻撃に怒りを露わにしている。 自らを“Xenophoria”と名乗るハッカーは、21にのぼる政府支持派のウェブサイトを攻撃した。報道機関のさらなる自由と政治腐敗の一掃を訴え『メディアに対する政府の介入を止めろ。すべてに正義を』と記したメッセージを投稿した。 マレーシアの政治運動家たちにとってサイバースペースは、激しい討論の場だ。政治関連サイトは100以上もあり、マレーシア政府の首脳陣や政策に関する論議が活発に行われている。反政府組織の指導者たちは、統制を受けた主流メディアは公平さに欠けると主張し、支持者獲得運動の大部分をインターネットに頼っていた。他方、マレーシア政府は、有権者の多くはインターネットへのアクセスが限られている田舎に住んでいるためインターネットによる潜在的影響力は弱いと見ており、反対勢力のインターネット活用を軽視していた。 野党である国民正義党の副党首Tian Chua氏は、今回の事件について「我々はそのような愚かな行為を断じて許さない。ハッキング行為は、政府、反政府組織のどちらにも利益をもたらさない無分別かつ卑劣な行為だ」と断じた。 政府、反政府サイド共に今回のハッキング行為に対し非難声明を発表し、犯人検挙を言明している。