5月20日、ロンドンのパディントン駅で海軍諜報部員の約2000ポンド相当のノートパソコンが盗まれた。実は、その2ヶ月前にも同様の事件が同じ場所で発生していた。英国諜報局5部(MI-5)に所属する諜報部員がノートパソコンを床に置き切符を購入している隙に、パソコンを盗まれてしまったのだ。パソコンには、北アイルランドの平和協定に関する詳細が収められていた。 英国防省(MoD)は5月21日、20日に盗まれたパソコンに機密情報は入ってなかったとするコメントを発表した。しかし政府関係筋によると、そのノートパソコンには次世代の戦闘機に関する仕様書が入っていた。 犯人はパソコンの中身については関心がなかったらしく、そのままパソコンをディーラーに約100ポンドで売った。その後、ディーラーはタブロイド紙、Daily Mirrorにパソコンを15,000ポンドでに売った。Daily Mirror紙は“敵は莫大な金を積んででもこのパソコンを欲しがっただろう。弊社の手に渡ったのは、不幸中の幸いだ”と大々的にこの事件を報じ、パソコンを国防省に返した。そして犯人はディーラーと接触を持とうとして、警察に取り押さえられ逮捕された。 ある諜報部員は「今後、諜報部員のノートパソコンに追跡装置や指紋認証装置などの搭載が義務づけられるかもしれない」と語った。