米政府は、コンピュータ科学者が暗号化プログラム作成のための解説書を自身のウェブサイトに公開することに許可を与える見通しだ。これはクリントン大統領が制定した暗号化技術に関する新規制緩和法の賜である。 1999年5月、第9巡回裁判所の3人の判事団は、イリノイ大学のDaniel Bernstein教授が自身のプログラム“Snuffle”をインターネットに公開するのを禁じた旧暗号化技術輸出規制法は、言論の自由に抵触していると判決を下した。 しかし1月に発表されたクリントン大統領の暗号化技術輸出規制に関する新方針を受け、大法廷は5月に下した判決の再考を判事団に要請した。先週(2月第3週)米商務省(DoC)は、暗号化技術輸出の新方針ではBernstein教授が自身のソースコードの解説書をネット上に公開することは許可されると進言する書簡を送った。 DoCはBernstein教授の弁護士に宛てた返信で「一般に入手可能なソースコードのライセンス認可および検閲義務の規定が変わったため、新方針は教授がソースコードの解説書をネット上で公開することに干渉はしない」と述べた。 またDoCは、Bernstein教授のコードを掲載したウェブサイトに対し暗号化技術輸出規則に関する責任を負う必要のないことも明確にした。さらに、インターネット上で暗号化ソースコードを公開しているBernstein教授や専門家等がコードを更新する度またはバグの修正を公開する度、政府に対し通知の義務がないことを明らかにした。