株式会社クラフは9月15日、オープンソースのセキュリティ・マネジメント・システム「S4」の世界展開第一段として、ベトナムのSHIFT ASIA CO., LTD.と協業し東南アジア地域向けのローカライズとDEI活動の開始を発表した。
S4は、同社が開発した、IT資産管理と脆弱性管理機能を提供するソフトウェアで、9月1日からWebサービス版の提供がはじまり、9月8日にはオープンソース化を公表していた。
同社では、東南アジアは所得の格差により、セキュリティ予算が少ない、人材と技術が未熟など、セキュリティリスクが顕在化しやすい地域で、東南アジアのセキュリティリスクを放置することは、サプライチェーンリスクを放置することと同じと捉え、S4を社会課題が大きい東南アジアから世界へ広げていくことは、「セキュリティがいきわたる社会」の実現を目指す最善の選択としている。
本誌の取材に対してS4プロジェクト関係者は「新自由主義経済的な価値観の普及で、弱者が抱えるあらゆる課題をすべて当事者の自己責任と切り捨てる風潮が支配的な日本ではなく、まだ共助の精神が社会に色濃く残る、ベトナムをはじめとした東南アジア地域でプロジェクトの価値を試す」と回答した。