子どもたちが楽しみながら防犯に対する知識を身につける「防犯スポーツ教室」とは | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

子どもたちが楽しみながら防犯に対する知識を身につける「防犯スポーツ教室」とは

 小さな子供がいる家庭にとって、犯罪被害に遭わないための防犯対策は大きな関心事である。しかし、小さな子供たちに正しい防犯の知識や対策を伝えるのはなかなか難しい。

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 小さな子供がいる家庭にとって、犯罪被害に遭わないための防犯対策は大きな関心事である。しかし、小さな子供たちに正しい防犯の知識や対策を伝えるのはなかなか難しい。そんな悩みを解消するべく、2014年4月から神奈川県川崎市を中心に「防犯スポーツ教室」という活動を行っているのが、NPO法人ファンズアスリートクラブと一般社団法人市民住まい向上委員会だ。

 この「防犯スポーツ教室」は、子供たちに楽しんでもらいながら、防犯に対する知識を身につけてもらい、同時に体力の向上をはかってもらおうというプログラム。

 今回、本プログラムを実際に体験する機会があったので早速ご紹介していこう。

 体験したのは、女優、タレントとして活動中の藤田葵(ふじたあおい)ちゃん。本来は幼稚園児や小学校の低学年向けのプログラムだが、取材ということで特別に許可を得て参加させていただいた。

 スポーツと防犯の融合ということで、プログラムの序盤は、体の上手な使い方を中心にレクチャー。動物の動きを真似させたり、お遊戯感覚で子供たちに利き足を認識させるなどして、バランスを崩さず、より早く走れるようにするための動きを反復させる。

 中盤以降は、防犯面を意識したプログラムへ移行。体を動かす前に、「見知らぬクルマや大人に近づいた危ない」という大前提を伝え、どうやって逃げるのが一番いいのかを教えていく。

 体を使ったプログラムに入ると、逃げながら怪しいクルマのナンバーを覚える方法、逃げながらも瞬時に不審者の身体的な特徴をつかむコツなどを、ゲーム的な要素を入れて体験させる。

 印象的だったのが、「モニタージュラン」というプログラムで、これは変装したインストラクターが物陰に潜んでいて、それを子供たちが走りながら観察し、あとでその特徴を言い合うというもの。チーム対抗のリレー形式で、走りながら不審者を観察していき、各チームに配置されたインストラクターが持っているモンタージュ写真風のイラストを使って、不審者の姿を導き出し、実物に近いチームが勝利となる。

 実際にしてみると、どんな服装をしていて、どんな顔をしていたのか(ヒゲや髪型、ホクロなど)、そしてどんな言葉を発していたのかなど、意外と特徴がつかみにくいことがわかる。

 体験してくれた葵ちゃんも、同様の感想を述べていた。

 実際にやってみるとベタな特徴でも意外とわからないということがポイントで、2回目以降、1回目に悔しい思いをした子供達は不審者の特徴をつかむ際にどこを意識して、どう伝えるべきかを覚えていくのだ。

 もちろん、顔を覚えることに必死になりすぎると、危ないので、不審者役のインストラクターは、走るスピードが緩んだ子がいると、追いかけて、逃げながら「見る」ということを体で覚えさせていく。

 他にも、大声を出しながら全力疾走することを目的とした「大声ランニング」や、「しっぽとり」(背後の危機を察知して素早く逃げる動作を身につけることが目的)など、実際の事例を元に考案されたプログラムが用意されている。

 ひと通りのプログラムを体験した葵ちゃんは、「大人の私もとっても勉強になりました。頭で理解しているのと、実際に動けるのは違いますね」と感想を述べていた。

 本プログラムの防犯面の監修を行っている一般社団法人市民住まい向上委員会の矢野代表は、「学校の授業では防犯について教える授業がないので、やがては授業の一環として防犯教育ができるようにしていきたい」と語っている。

 なお、本プログラムは、神奈川県川崎市宮前区内の小学校でファンズアスリートクラブが定期的に開催している「宮前スポーツスクール」で幼稚園児・小学生を対象に体験可能。直近では、3月1日にとどろきアリーナ(神奈川県川崎市中原区等々力1-3)で開催される「カワサキ・ボーダレス・スポーツ・フェスタ」というイベントでも体験できるそうだ。

幼稚園児・小学生に運動を通して防犯に役立つ知識と動きを伝える「防犯スポーツ教室」を体験

《小菅@RBB TODAY》

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