今回は中小規模の店舗における防犯システムについて紹介しよう。 店舗とは文字どおり販売拠点であり現金と商品をやり取りするため、商品管理と同時に金銭管理も重要になってくる。とはいえ、営業形態や扱う商品によって最適な防犯システムは異なるのがポイントだ。 例えば店内監視の場合、24時間営業の場合は暗視カメラは必要ない。出入り口を監視するカメラも店舗外ではなく店内側に設置できる。 一般的に店内に設置するカメラは、撮影範囲が広く外からイタズラされにくい広角のドーム型カメラが効果的といわれている。リモコン操作式である必要はないが、設置時に画角や向きを調整できるタイプが使いやすいだろう。逆に万引き防止などで「カメラで監視してますよ」とアピールするのであれば、わざとゴツいハウジング型で存在感のあるカメラを使う手もある。この場合は解像度が高く、手元までハッキリと確認できるカメラが望ましい。 従業員の勤務態度や不正がないかもチェックする必要があるので、レジを真上から見られるカメラもあるとよい。スーパーやコンビニなど複数台のレジがある店舗では、レジの混雑状況が分かるようなカメラもぜひほしいところだ。 反対に店舗外のスペースがあったり閉店後も警戒したい場合は、店舗外へのカメラの設置も視野に入れたい。暗所対応の防犯カメラを隣接建物との隙間にセットしたり(侵入防止)、郊外の店舗であれば駐車場に設置(イタズラ防止)する必要がある。 設置形態にかかわらず、記録装置の管理も重要になってくる。 具体的には何かあった時に検索しやすくするため、撮影データ定期的に管理・整理する必要がある。同時にバックアップ用のHDDや、記録装置自体の設置場所にも注意したい。鍵のあるロッカーに入れるなり、そもそもその場所を隠匿してしまうという手がある。かつて従業員の手引きを受けた侵入犯が、証拠隠滅のため記録装置のHDDのデータを消してから逃走したという事例もあるので、記録装置に関しては相当気を遣っておくべきだ。 店舗を営業する以上、最低限証拠撮りのための防犯カメラシステムは導入しておくべきだ。その上で、万引き防止や不正防止といった優先度を決め、それに対応できるカメラをピックアップしていくとよいだろう。