国立国会図書館は19日、公式サイトに「国立国会図書館の資料デジタル化に係る基本方針」を掲載した。5月27日に策定されたもの。 この基本方針で国立国会図書館は、“財源の確保に努め、所蔵資料のデジタル化を進める”ことを明言。所蔵資料のうち、新たにデジタル化を行う資料は国内資料とし、図書については、昭和55(1980)年までに刊行されたものを当面の対象範囲とするとした。なお、外国資料についても、希少性の高い資料、歴史的価値の高い日本関係資料はデジタル化の対象となる。 デジタル化の手法としては、画像データの作成のみとし、適宜見直しを行うとのこと。ただし、目次情報はテキストデータ化し、検索可能とする。また視覚障害者等への提供および戦前の議会会議録の活用を視野に、本文テキストデータ化のための実証実験も行い、段階的な提供を目指す予定だ。 デジタル化対象資料を選定する際の評価要素は、(1)唯一性・希少性、(2)資料の劣化状況、保存の緊急性、(3)資料の利用機会の拡大、(4)デジタル化への社会的ニーズおよび(5)国や世界の体系的なデジタルコレクション構築への貢献の5つがあげられている。 また2011年3月に発生した東日本大震災の記録を始めとする災害の記録等については、“人類への教訓”として広く国内外に、また、後世に確実に伝えるため、関係機関と調整しながらデジタル化に積極的に取り組むとしている。