情報モラルの啓発活動を行う情報教育研究所(JKK)は12月13日、熊本市立池上小学校において情報モラル教育に関する出張授業を行ったと発表した。 平成23年度から文科省の指導要領が変わり、小学校のすべての学年に情報モラル教育が義務づけられた。また、東日本大震災後、携帯電話は「禁止」から「教育」に変わり、小学1年生に情報モラルをどのように教えたら良いのか全国の教師が注目しているという。 熊本市立池上小学校では、12月9日に絵本から学ぶ情報モラルの授業が行われた。1、2年生の授業タイトルは「友だちは、何をしているのかな?」。「相手には相手の都合がある。だから、すぐに返事をもらえるとは限らない」ということを理解させるとともに、受け取る側も、時には自分の都合で断っても良いけど、喧嘩にならないように相手の気持ちも考えることが大切ということをねらいとしている。 3、4年生は「目玉焼き事件は、なぜ起きたのか!」というタイトルで、仲のよい友だちでも自分と考え方が違うケースもあることを気づかせ、相手の意見も受け入れることや、文字や言葉だけでは、気持ちの全部は伝わらないこと、大切なことは顔を見て伝えさせることをねらいとしている。 5、6年生は「サザエさんは何歳だろう?」というタイトルで、インターネットには多くの情報が氾濫していることを前提に、調べ学習をする際、どのようにしたらより正しい情報を得ることが出来るようになるのか学ばせる。また、サザエさん一家の年齢を例に、子どもたちに印象付けをして、正しい情報の見分け方、インターネット上にある情報の活用方法を学習テーマとしている。 情報教育研究所では、子どもたちが将来情報文化の中で生きていくための土台となる「心」を育てることが、とても大切なのではないかと考えているという。その最適な方法の一つとして、絵本を読むことを推奨し、全国の小学校に「かもめ文庫」として絵本を届けており、同小学校へも絵本が寄付された。