ソフォス株式会社の2月21日の発表によると英国政府は同日、サイバー犯罪に関連するコストについての報告書を公開し、サイバー犯罪が英国経済に与える全体的なコストが毎年270億ポンドになるとしている。ただし、この値の算出方法の具体的な詳細については説明されていない。報告書では、270億ポンドの内訳を異なるカテゴリに分類している。たとえば、92億ポンドが知的財産の盗用に関連し、76億ポンドが産業スパイ関連として分類されているが、こうした事例の多くは報告されないことが多いため、これらの金額の算出は基本的に難しい部分が多いと述べている。また報告書では、企業はサイバー犯罪の脅威を深刻にとらえる必要があるとしており、スパムやマルウェア攻撃のほかにも企業システムへのリモートからのアクセス、機密活動へのスパイ、情報の盗難などのサイバー犯罪に警戒する必要があるとも述べている。ソフォスで上級技術コンサルタントを務めるグラハム・クルーリー氏は、「報告書の統計情報は非常に疑わしいと思われますが、英国においてサイバー犯罪について適切な対応策の確立が必要であるという結論には、強く同意できます。ユーザーを脅威から守るためには、まずサイバー犯罪を正確に特定・記録する手段を確立する必要がある」としている。(吉澤亨史)http://www.sophos.co.jp/pressoffice/news/articles/2011/02/Proofed_PR-cost-of-cybercrime.html