トレンドマイクロ株式会社は11月9日、オンラインバンキングを提供する金融機関などが導入を進めている「二要素認証」に対し、「ZBOT」ファミリの不正プログラムに巧妙に二要素認証をかいくぐる亜種が存在することを2010年9月に確認しているとして、詳細情報を「セキュリティ最前線」において公開した。この「ZBOT」の亜種に感染したコンピュータでオンラインバンキングを利用しようとアクセスを試みると、銀行のサイトに偽装したサイトに転送され、通常のログイン情報だけでなく、携帯電話の番号の入力も促される。入力した携帯電話番号に対して、サイバー犯罪者はSymbian OS用の偽アプリをダウンロードすることを促すショートメッセージ(SMS)を送信する。この偽アプリのインストーラを実行すると「SYMBOS_ZBOT.A」として検出される不正なファイルがインストールされる。「SYMBOS_ZBOT.A」は銀行からユーザの携帯電話に送信される認証コードを含んだSMSを傍受し、サイバー犯罪者の携帯番号にこの内容を送信する。すでに当該ユーザのオンラインバンキングへのログイン情報(ユーザ名やパスワード)は収集されているため、二要素認証はまったく意味をなさなくなってしまう。http://jp.trendmicro.com/jp/threat/securityheadlines/article/20101108063647.html