独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)と独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は7月4日、両者が共同運営している「暗号技術監視委員会」と「暗号モジュール委員会」の2007年度活動報告をまとめ、各委員会ごとに「CRYPTREC Report 2007」として公開した。暗号技術監視委員会は、電子政府推奨暗号の監視、電子政府推奨暗号に関する暗号アルゴリズムの調査・検討などを行う技術委員会。2007年度の活動では、現在広く利用されているセキュリティに関する標準技術について、安全に利用するための指針を示すため、新規にリストガイドワーキンググループを組織。標準技術の中で選択することが望ましい暗号アルゴリズムとそのセキュリティパラメータを調査・検討し、「電子政府推奨暗号の利用方法に関するガイドブック」として公開した。また、2006年度から組織されている公開鍵暗号ワーキンググループでは、暗号モジュール試験及び認証制度(JCMVP)からの要請により、検討が必要となった暗号技術に関して安全性評価を実施した。レポートでは、これらの活動内容が、監視活動報告とともにまとめられている。暗号モジュール委員会は、ISO/IECなどの国際標準の動向を注視しつつ、暗号モジュールの評価基準及び試験基準の作成や暗号実装関連技術などの調査・検討を行っている専門委員会。2007年度の活動としては、暗号モジュール試験要件の国際規格作成への支援、FIPS 140-3へのコメント提出、サイドチャネル攻撃に関する要件の策定に貢献するための電力解析実験ワーキンググループ活動、FIPS PUB 140-2と暗号モジュール試験及び認証制度のための運用ガイダンスの日本語改訂版の作成などを行っており、その内容と成果概要がレポートとしてまとめられている。http://www.ipa.go.jp/security/enc/CRYPTREC/fy19/cryptrec20080703_report01.html