独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は3月26日、量子力学の法則を使用した新暗号技術(量子暗号)を、光ファイバー回線を用いて、世界最長(97km)かつ最高速で実現することに成功したと発表した。量子暗号は、微弱な光が持つ粒子(光子)の物理的性質を暗号鍵として利用するもの。光ファイバーを使い、情報の送り手と受け手で暗号鍵を共有して、同鍵を使用して報を暗号化する。今回行った実験は、道路沿いに設置された光ファイバーを用いており(フィールド実験)、従来の室内実験に比べて10倍、敷設光ファイバー実験では100倍以上の向上に相当する結果となった。今後もNICTは、実用化に向けて暗号システムの動作をさらに安定化させ、研究開発を加速させていく予定だ。http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h19/080326/080326-2.html