トレンドマイクロ株式会社は9月5日、2007年8月のウイルス感染被害マンスリーレポートを発表した。発表によると、8月のウイルス感染被害の総報告数は、5,183件と先月(4,445件)から4ヶ月ぶりの増加となった。しかし、1位から10位のウイルスの感染報告数を合計しても263件と総報告数の約5%にとどまり、感染報告が多種のウイルスに分散している傾向は継続している。1位はトロイの木馬である「TSPY_MARAN」が55件で圏外からランクインし、2位はバックドアである「BKDR_AGENT」で53件、3位はトロイの木馬である「TROJ_VUNDO」で被害件数は28件であった。同社によると、多種のウイルスに感染報告が分散している背景には、攻撃の手法が大規模拡散型から標的型(ターゲット型)へ移行しつつある事実があるとしている。実例として8月には、3日に日本語ワープロソフト「一太郎」、17日にフリの圧縮ツール「Lhaz」、それぞれの未知の脆弱性を標的とした攻撃(ゼロデイアタック)が確認された。また、7月に複数の正規Webサイトの改ざんにより拡散された「TSPY_LINEAGE」が今月も4位に入ったほか、オンラインゲーム「ラグナロクオンライン」のアカウント情報の不正取得を目的とした「TSPY_MARAN」が1位に入るなど、大規模なウイルス感染が発生しないなかで、情報や金銭を不正な取得を目的として、特定のソフトウェアやサービスの利用者を標的とした攻撃が頻発しているとしている。トレンドマイクロ:ウイルス感染被害レポート - 2007年8月度 http://jp.trendmicro.com/jp/threat/security_news/monthlyreport/article/20070905031018.html