トレンドマイクロ株式会社は6月5日、5月度のウイルス感染被害マンスリーレポートを発表した。発表によると、5月のウイルス感染被害の総報告数は7,326件で、先月の7,039件より300件ほどの増加となった。ウイルスごとの報告数は減少傾向にあるため、新種や亜種が多く出現したことによる被害の分散化がうかがえるとしている。感染被害件数はスパイウェア「SPYW_GATOR」が247件で引き続き1位となり、2位には「JAVA_BYTEVER」が101件でランクインし、3位は76件で「ADW_WEBSEARCH」と、前月では下位にあったものが2位、3位となっている。スパイウェアやアドウェアが上位を占めているのは相変わらずだ。5月には「防衛庁」や「日本経済新聞」を騙った成りすましメールが確認された。どちらのケースもメールにファイルが添付されており、ファイルを開くとウイルスに感染する。添付ファイルが実行されると別の不正プログラム「BKDR_PCCLIENT」を作成することが特徴となっている。バックドア機能を持つ「BKDR_PCCLIENT」は、ルートキットやキーロガーの機能を備えるプログラムをWindowsシステムフォルダに作成する。これらのウイルス自身にはメールを作成・送信する機能はなく、受信者をだますためにウイルスとは別に今回の成りすましメールが作成されたと考えられる。今後、ユーザを騙す手口としてこのようなソーシャルエンジニアリング的な手法を組み合わせ、より手の込んだものになり、危険性が高まっていく恐れがあるとしている。トレンドマイクロ:ウイルス感染被害レポート - 2006年5月度http://www.trendmicro.com/jp/