──────────────────────────────〔Info〕─Scan Monthly Report Best Worsthttp://www.ns-research.jp/c2/shop/books/p-sbw01.shtmlネットワークセキュリティ・インシデント年鑑2004http://ns-research.jp/c2/shop/books/p-inc03.shtml───────────────────────────────────■ウイルス月次レポートランキング ウイルス名 届出・被害件数一位 Netsky 2,686件二位 Beagle 532件三位 Gaobot 491件四位 Agent 480件五位 Lovgate 317件Trend Micro Symantec IPA ソフォスAgent Netsky Netsky Zafi480件 748件 1,591件 59.2%Netsky Gaobot Bagle Netsky347件 491件 532件 28%Bytver Ecure Lovgate Bagle277件 187件 317件 4.2%Crypt Redlof Klez MyDoom144件 164件 296件 1.7%Dloader Bugbear Zafi Mimail120件 99件 256件 1.5%>> 各ベンダのランキング内容は先月とほぼ変わらず ウイルス情報系の各社が、2004年7月度のウイルス届出・被害状況を発表した。表は各社の結果をまとめたものである。トレンドマイクロ、シマンテックは「感染被害件数」、IPAは「届出件数」の数値である。ソフォスは件数ではなく被害報告全体に対する割合となっており、全世界での数値となっている。また、複数の亜種が存在する場合でも、ウイルスの名称ごとに件数や割合を合計している。 7月度はNetskyが1位を獲得し、これで5ヶ月連続となった。合計件数は2,686件で、2位のBagleに対し5倍程度となっている。しかし、先月の2,909件より200件強減少しており、先月と同様に全体的な減少傾向が続いている。特にトレンドマイクロ、IPAでの減少が目立ったが、シマンテックでは逆に倍近く増加している。 シマンテックでは亜種を合算せずにランキングを発表しているが、7月度は10位までのうちNetskyの亜種が5種類ランクインした。シマンテックのランキングでは、10位までの合計件数が先月の1,551件から1,770件へと増加しているが、その原因のほとんどがNetskyの件数の増加によるものだ。 2位以下では、先月と同様にベンダごとに内容が大きく異なっている。そして、総合順位の2位以降は、それぞれのベンダの2位がきれいに並ぶ結果になっている。2位のBagleはIPA、3位のGaobotはシマンテック、4位のAgentはトレンドマイクロといった具合だ。ちなみに5位のLovgateはIPAの3位で、また、各ベンダの2位以下の件数は、先月よりさらに減少している。 総合5位までの合計件数は4,506件となっており、5月以来連続して減少傾向にある。それでもこの数字は、本年1月の2,322件と比べれば決して少なくない数字である。>> 世界規模ではZafiによる被害が全体の6割を占める 7月度では、総合10位までに新たなウイルスはランクインしなかった。ただし、トレンドマイクロの4位、5位は新たにランクインしたウイルスだ。Cryptはトロイの木馬と呼ばれる不正プログラムで、発症すると特定のサイトからファイルをダウンロードしようとする。また、Dloaderもトロイの木馬で、Cryptと同様に特定のサイトからファイルのダウンロードを試みる。 ともにメールやネットワーク経由での感染拡大は行わず、人間同士によるファイルの受け渡しや、Webサイトからのダウンロードによって感染する。特にスパムメールに掲載されているURLにアクセスし、そのサイトからダウンロードしてしまうケースが多いようだ。 スパムメールは増加の一途をたどっているので、心当たりのない差出人からのメールや英語の件名のメールには特に注意したい。また、最近の多くのセキュリティソフトにはスパムメール対策機能が装備されているが、速いサイクルで新しいスパムメールが登場するので、ソフトをこまめにアップデートして最新の定義ファイルを使用するようにしたい。【執筆:吉澤亨史】(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec