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2017.11.18(土)

サイバー条約批准の行方を決める米大統領選

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●ブッシュ政権、サイバー条約批准を支持

 去る6月17日行われた米上院公聴会で、外交委員長がサイバー条約批准を求める発言を行い、米国の同条約批准へとようやく動きだした。

 2001年欧州議会が原案を起草したサイバー犯罪条約は、米国もオブザーバーとして参加し、署名したものの、批准へ向けての動きは遅々として進んでいなかった。そもそも1997年頃から欧州評議会が本条約の制定作業に取り組んでいたが、2002年9月に起こった同時テロ事件で危機感を募らせた米国が、議決権なしのメンバーであるにも拘わらず、強く締結を求めたものだ。著作権侵害、オンライン詐欺、児童ポルノ、ネットワークへの侵入に関する国際的な犯罪基準を確立するための手段の一つである同条約を、米司法省は「国際的調査を遅延させたり、あるいは危険にさらす可能性のある、手続き上および管轄上の障害を取り除く」ことになると評価している。

 しかしながら、条約自体が極めてあいまいであることや、人権擁護団体などが反対したことから、批准への動きは署名から2年間、全くと言ってよいほどなかった。専門家の中には、「米国は、この条約を自ら批准するのではなく、国内法が整っていない発展途上国に導入させる目的で推進してきた。いわば、途上国向け。」とする向きまであった。


 この動きを変えたのは、昨年11月ブッシュ大統領が上院に送ったサイバー犯罪条約批准を求める書簡だ。「世界がコンピュータ犯罪と闘う効果的な手段」で、また「コンピュータ関連犯罪や電子証拠収集といった問題を提起する唯一の国際条約である」と述べた。「条約により、コンピュータを用いて海外から米国の利益に損害を与える、テロリストをはじめとする犯罪者の安全な避難場所を否定する助けとなる」として上院に審議の開始を迫った。

 大統領の動きを受け、今年6月、サイバー条約批准に向けての公聴会が上院で行われ、外交委員会の委員長を務めるルガー議員(インディアナ州選出)が「米国は、国際法執行において指導的立場を果たして行く、また国内および海外での米国民の安全性強化のためにも、サイバー犯罪を批准すべきである」と述べた。

 また、米国務省の法律顧問サミュエル・ウィテェンは、同条約の承認により「米国は、コンピュータ関連犯罪の防止、調査、訴追を行うための国際協力を獲得・提供しやすくなる」さらに「サイバー攻撃に対する防御および世界規模のサイバー・セキュリティの向上への取り組みにおいて、このような国際協力は極めて重要だ」と、同公聴会で発言。ブッシュ政権としての条約案支持を再確認した。

 条約批准に関する米司法省の見解で、注目すべきことは、サイバー条約の追加条項のひとつを違憲するとしている点だ。これは、人種的な特性に基づき、特定の人々を「コンピュータシステムを用い、公然と侮辱したもの」に懲役刑を科すことを批准国に義務付けている箇所で、合衆国憲法修正第一条で保証された「表現の自由」が守られないということになる。よって、上院では同追加条項を除いた形での批准を目指している。


【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】

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全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_netsec

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