SCAN編集部が毎年調査を実施している国内co.jpドメインの調査結果から、2003年から2004年にかけて国内のサーバ構成に変化が現れたことが判明しました。●最新バージョンのWebサーバの使用率は10%以下2004年・上半期 Webサーバランキング 1位 Apache 160,082台 2位 IIS 17,453台 3位 Zeusu 11,651台※上記ランキングはバージョンの区別をしていません。 Webサーバランキングは調査を開始して以来、毎年同じ結果になっています。Apacheのバージョンは、最新バージョンよりも古いバージョンの方が多く、バナー表示からバージョンを特定できなかったサーバを含めても、最新バージョンの使用率は10%以下であるという残念な結果となっています。 この所感を書いている段階では、Apacheの最新バージョンは1.3.31であり、それ以前のバージョンに存在する4つの問題が解決されています。参考URL:Apache 1.3.31で解決されたセキュリティホールhttp://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CAN-2003-0987http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CAN-2003-0020http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CAN-2004-0174http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CAN-2003-0993※これらの脆弱性には環境により脅威とはならないものも含まれます。 2004年になってからも大手企業のWeb改竄事件は減少しておらず、その多くはWebサーバの脆弱性を悪用したものです。この結果から、企業の経営者は、自社のWebサーバが適切に運用管理されているかを確認するために、自社の管理者を信頼するだけではなく、第三者の評価を受ける必要性を感じます。●国内のSMTPサーバはPostfixが急増2004年・上半期 SMTPサーバランキング 1位 Sendmail 70,297台 2位 Postfix 19,563台 3位 SMTP RS 17,286台※上記ランキングはバージョンの区別をしていません。 SMTPサーバランキングは2004年で大きな変化が現れました。上記のバージョンを特定しないランキングではSendmailが1位になっていますが、バージョンを特定したランキングでは過去数年1位となっていたSendmail 8.9.3を抜いてPostfixが1位になっています。また、2003年から2004年にかけて、Sendmail 8.9.3の台数が約1万台も減少しています。Sendmail 8.12.xは、その減少した台数とほぼ同数増加しており、この1年でアップデート作業が進んでいることがわかります。株式会社ネットワークセキュリティテクノロジージャパン技術統括部・部長 岩崎哲也◇co.jpドメイン サーバ実態データベース 2004年上半期 http://shop.ns-research.jp/p-cod03.shtml(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec