2002年11月 Prisoner'Choice インシデント事後対応 ベスト&ワースト 2002年11月にネット上で発生したインシデントの中で、ライター集団 Prisonerが、独自の観点で選んだインシデント事後対応 ベスト&ワーストをお送りする。>> ベストは、カカクコム、インフォシーク 11月のベスト対応は2社。いずれもScan編集部がセキュリティホールとおぼしき箇所を発見し、それぞれ迅速な対応を行ったことがベスト選出に繋がった。 特筆すべきは、そのセキュリティホールが両者とも「スイッチ」に存在した、という点だ。Webサーバに比べると、スイッチやルータ等は見落とされがちな部分ではあるが、これらに不正侵入してデータ盗聴やネットワーク遮断等の悪事を遂行することも可能であるため、十分な注意が必要とされている。 11月19日の午前11時、編集部は、サーチエンジン「infoseek」を運営するインフォシーク社へ第一報のメールを送った。そして対応完了の旨、メールが来たのはおよそ3時間後の午後2時。非常に迅速な対応であった。 その間、どういった社内の動きがあったのかインフォシーク社に尋ねたところ、「まず広報から技術部へ連絡し、技術部では即座に状況確認、影響調査、対応の実施に取り掛かりました。次に技術部から対応状況が広報へバックされ、その後に詳細内容が伝わってきました」との回答を頂いた。一見なにげなく思えるが、効率の良い緊急時の連絡体系、業務分担、意思決定の仕組み等が普段から確立されていない限り、ここまでの迅速さは発揮できなかったであろう。 国内最大級の価格比較サイト「価格.com」を運営するカカクコム社への報告が行われたのは11月21日の13時。こちらも、同日中に対応が完了している。 今回の迅速な対応は、どのような要因によるものなのか。 カカクコム社に尋ねると「しいて申しますと、広報、技術部門を含む社内各部門の密接な連絡体制に加え、特に技術部門において、セキュリティも含め常に不測の事態防止の為に積極的な対策を講じており、突発的なトラブル等に対してもスムーズに対応できる体制が確立されていることが、要因として挙げられるかと存じます。また、CSも含めて、社内・社外問わず受けた報告に対しては常に迅速な調査及び対応を心掛けており、今後も引き続き徹底していきたいと考えております」との回答を得た。 両者とも一部サービスに影響が出る可能性があったことは確かだが、幸いにも無事であった。 備えがあれば「憂い」は最小限となる――。良質なインシデント対応は、そのことをよく表している。 <関連記事> ◇セキュリティ監査、診断を補完するセキュリティチェック= TraceList (2002.11.18) https://www.netsecurity.ne.jp/article/1/7477.html ◇スイッチ、ルータ脆弱性に注意 カカクコムのスイッチにセキュリティホール(2002.11.25) https://www.netsecurity.ne.jp/article/1/7565.html ◇サーバ以外にもある危険性 = ルータやスイッチから情報を盗まれる インフォシーク社のスイッチにセキュリティホール(2002.11.21) https://www.netsecurity.ne.jp/article/1/7547.html infoseek http://www.infoseek.co.jp/ 価格.com http://www.kakaku.com/>> インフォシークの★取り表対応の速さ ★★★★★報告者との連絡 ★★★★★社内体制 ★★★★ユーザ告知方法 −ユーザ告知内容 −その後のフォロー ★★★★>> カカクコムの★取り表対応の速さ ★★★★報告者との連絡 ★★★★★社内体制 ★★★★ユーザ告知方法 −ユーザ告知内容 −その後のフォロー ★★★★★の数は多いほどよい。基準は下記のとおりだが、あまり客観的というわけではない。★ 最悪 なしあるいはないも同然★★ 申し訳程度。★★★ 許容範囲。★★★★ 適切な対応。★★★★★ 考えられることは全て対応。迅速。[ Prisoner Maga ] (詳しくはScan本誌をご覧ください)http://shop.vagabond.co.jp/m-ssw01.shtml