Pandora FMS の認証を回避し任意のファイルがアップロード可能な脆弱性(Scan Tech Report)
統合監視ツール Pandora FMS に、認証を回避して任意のファイルをアップロードし、実行することが可能な脆弱性が報告されています。
脆弱性と脅威
エクスプロイト
統合監視ツール Pandora FMS に、認証を回避して任意のファイルをアップロードし、実行することが可能な脆弱性が報告されています。当該脆弱性を悪用されることで、遠隔の攻撃者の侵入やマルウェアに感染させられる可能性があります。
2.深刻度(CVSS)
10.0
http://web.nvd.nist.gov/view/vuln/detail?vulnId=CVE-2010-4279
3.影響を受けるソフトウェア※1
Pandora FMS 3.1 以前のバージョン
4.解説
Pandora FMS はネットワークやサーバ、アプリケーションの状態監視を統合的に実現することができる統合監視ツールです。オープンソース版のほか、商用サポートおよび機能追加を行った Enterprise 版があります。
前回のレポート (Vol.616) でも Pandora FMS の脆弱性を対象にしていますが、前回取り上げた脆弱性とは異なり、今回の脆弱性はハッシュログイン (自動ログイン) という機能に欠陥があります。
ハッシュログインは、ユーザ名とパスワードから生成される md5 ハッシュ値を用いて URL からのログインを可能とする機能です。この際に用いられるハッシュ値には、"(ユーザ名)(ハッシュログイン用パスワード)" から生成される md5 ハッシュ値が適用されます。
現在の Pandora FMS では、ハッシュログインに用いるパスワードが設定されていない場合は、ハッシュログインの機能自体が無効となっていますが、脆弱な Pandora FMS ではデフォルトの設定、すなわち admin ユーザのハッシュログインパスワードを設定していない場合、文字列 "admin" から生成される md5ハッシュ値 "21232f297a57a5a743894a0e4a801fc3" を用いることで、admin ユーザとして Pandora FMS の管理用コンソールにハッシュログイン可能となります。
※当該脆弱性は 2010 年に発見されたものですが、エクスプロイトコードは 2014 年 12 月に公開されました。
5.対策
以下の公式サイトより Pandora FMS 3.1.1 以降を入手しアップデートするこ
とで、この脆弱性を解消することが可能です。
http://pandorafms.com/
6.ソースコード
(Web非公開)
(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所)
※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。
Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
ソース・関連リンク
関連記事
Scan PREMIUM 会員限定記事
もっと見る-
-
範を示す ~ MITRE がサイバー攻撃被害公表
「MITRE はこのインシデントを開示しました。これは当団体が公共の利益のために活動し、企業のセキュリティ強化のためのベストプラクティスを提唱し、業界の現在のサイバー防御体制強化に必要な措置を講ずると約束しているからです」
-
AI とドローン利活用最悪事例 ~ 米保険会社 住宅空撮し保険契約 猛烈却下
保険契約の申し込みや更新を処理するコストの低下を追求するあまり、保険会社は不正確な査定を行い、さらにはプライバシーを侵害するという最悪の方向に向かっているようだ。
-
北 中華製AIを攻撃活用/北 DMARC不正利用/北 日本のアニメ制作関与か ほか [Scan PREMIUM Monthly Executive Summary 2024年4月度]
Microsoft Threat Analysis Center は、中国および北朝鮮の脅威アクターによる人工知能(AI)を活用した直近のサイバー活動を報告しています。いずれ中国や北朝鮮の脅威アクターは、中国製 AI を活用することでのサイバー活動にシフトし、「AI + セキュリティ」の活動は一般的になるとみられます。