「N電気から来たレポートです。フォレンジックだけじゃなく、アクセスログなど総合的に調査しました。しかし本体DBが不正アクセスされたような痕跡は、ありませんでした」
川崎は、床に置いた袋から何冊ものファイルを取り出して机の上に置いた。N電気にフォレンジックを頼むなんて頭のネジがだいぶゆるんでやがる、とオレは思ったが当然口には出さないでおいた。大人だからな。
N電気は大手だがろくな仕事をしない。おそらくこの案件は、他のサイバーセキュリティ専門会社に外注したに違いない。
「ふーん、このSってなに?」
「それだけやって情報漏れてちゃしょうがないんだけどさ」オレが言うと、川崎の顔が歪んだ。いけねえ、またひとこと多かった。どうもオレは、つい本音をもらしてしまう。悪い癖だ。
Microsoft Threat Analysis Center は、中国および北朝鮮の脅威アクターによる人工知能(AI)を活用した直近のサイバー活動を報告しています。いずれ中国や北朝鮮の脅威アクターは、中国製 AI を活用することでのサイバー活動にシフトし、「AI + セキュリティ」の活動は一般的になるとみられます。
新しい暴力の形としてノン・ステート・ウォーが増えている。ハッキングやデジタル影響工作など新しい攻撃方法が幅広く用いられており、全領域での戦いとなっている。そして、戦闘の担い手の多くは民間企業である。日本も例外ではない。日本は軍事に関しては敏感だがそれ以外は寛容だ。
日本で監視カメラや CCTV と言えば、要監視施設等に設置してそれを録画して、何かあったら再生するという、インターネットもパソコン通信もなかった時代のスタンドアロン PC のような貧しい使い方しか想像力が及ばない。しかし中国や合衆国のような、治安維持のための人権制限を合法とする国では、街頭や交通機関、店舗、オフィスなど都市の至る所に設置した画像を XDR や SOC のように集積し、かなりドラスティックな解析を行う。