ランサムウェア身代金支払率、企業規模と相関 ~ ソフォス調査 | ScanNetSecurity
2024.05.09(木)

ランサムウェア身代金支払率、企業規模と相関 ~ ソフォス調査

 ソフォス株式会社は6月5日、「ランサムウェアの現状2023年版」を発表した。

調査・レポート・白書・ガイドライン
売上高別の身代金支払いとバックアップの利用率

 ソフォス株式会社は6月5日、「ランサムウェアの現状2023年版」を発表した。

 同レポートでは、北アメリカ、南アメリカ、EMEA およびアジア太平洋地域の14ヶ国の組織(従業員数100~5,000人)に所属する3,000人のIT/サイバーセキュリティ部門のリーダーを対象に、調査を実施し、過去1年間の経験に基づいた回答を得ている。

 同レポートによると、ランサムウェア攻撃を受けた組織の割合は横ばいで推移しており、調査対象となった日本の組織の58%が2022年にランサムウェアの被害があったことを報告しており、2021年の61%から若干減少している。これらの組織の72%でデータが暗号化されており、データが暗号化された52%の組織がデータを取り戻すために身代金を支払っていたことが判明した。

 全世界のデータでは、データが暗号化された調査対象組織の46%が身代金を支払っているが、売上高が5億ドル以上の企業では半数以上が身代金を支払っており、売上高50億ドル以上の企業では支払う割合が最も高くなるなど、企業規模が大きくなるにつれて身代金を支払う割合が高くなることが判明した。同レポートでは、身代金の支払いを補償しているスタンドアロン型のサイバー保険に加入する割合が、大企業ほど高いことが一因と推測している。

 全世界のデータによると、身代金を支払って復旧した場合の費用は75万ドルで、バックアップを利用してデータを復旧した場合の費用37万5,000ドルの2倍となっている。また、バックアップを使用した組織の45%が1週間以内に復旧しているに対し、身代金を支払った組織では39%に留まり、身代金を支払った場合は復旧にかかる期間も長くなることが明らかになった。

 ランサムウェア攻撃の根本原因を分析したところ、脆弱性の悪用が最多の36%で、認証情報の侵害が29%、悪意のあるメールが18%と続いている。

 その他、データが暗号化されたインシデントの30%では、データも窃取されており、暗号化とデータ窃取によって「二重に稼ぐ」手法が広がっていることが明らかになった。

《高橋 潤哉》

編集部おすすめの記事

特集

調査・レポート・白書・ガイドライン アクセスランキング

  1. サイバーセキュリティ人材、女性の平均給与は男性と約80万円差 ~ ISC2 調査

    サイバーセキュリティ人材、女性の平均給与は男性と約80万円差 ~ ISC2 調査

  2. 社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

    社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

  3. Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

    Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

  4. ロシア からの攻撃が 6 割、EGセキュア「SiteGuard セキュリティレポート(2024.1Q)」公表

  5. 日本は悪意ある内部犯行による漏えいが 12 ヶ国中最小、プルーフポイント「Data Loss Landscape 2024(情報漏えいの全容)」日本語版

  6. 7月のフィッシング報告状況、「.cn ドメイン」のフィッシングメールを多く確認

  7. 2023年「業務外利用・不正持出」前年 2 倍以上増加 ~ デジタルアーツ調査

  8. NRIセキュア「企業における情報セキュリティ実態調査 2023」公表、日本の生成 AI 導入済企業 18.0%

  9. JIPDEC「個人情報取扱い事故報告」2022年版、最多原因「手順やルールに違反した作業や操作」

  10. 国立国会図書館 調査及び立法考査局「令和 6 年能登半島地震への対応」総括、ソーシャルメディアの功罪も

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×