工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン3 「エリカとマギー」 第23回「二種類の人間」 | ScanNetSecurity
2024.05.05(日)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン3 「エリカとマギー」 第23回「二種類の人間」

人間には2種類ある。そいつが楽しそうにしていると周りも楽しくなるヤツと、逆に周りを不快にするヤツだ。

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その時、携帯電話が鳴った。夜の10時だ。こんな時間に電話をかけてくる相手はひとりしかいない。

「ヒマなんで、工藤さんは遊びに来るといいと思います」

沢近は、ものすごく身勝手なことをぶつけてきた。

「オレは仕事なんだよ」

「こんな時間に? そうですか、ハッハッハッ」

意味不明の笑い声を残して、沢近は電話を切った。なんとなく胸騒ぎがする。つけっぱなしのPCの画面に目をやると、沢近がものすごい勢いでツイートしていた。

─ なんかヒマかも

 バカな野郎どもが、じゃんじゃんリプライを返したようだ。だが、リプライは、オレには見えない。沢近本人にしか見えない。

─ え? 今から会うなんて無理。えー、でもなあ

 思わせぶりなツイートが続き、最終的にはヤバイセリフで終わった。

─ うん。じゃあ、DMで携帯番号送るんで、着いたら教えてね

 全くもってtwitterで男をあさるバカ女そのものだ。さすがのオレも止めなきゃ、という思いと、嫉妬に近いいらだちを感じて沢近に電話した。

《一田和樹》

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