株式会社カスペルスキーは1月10日、Wi-Fiルータを狙うAndroid向けトロイの木馬「Switcher Trojan」を同社Kaspersky Labのリサーチャーが発見したと発表した。Switcher Trojanは、Androidデバイスを直接狙わずに、デバイスが接続しているWi-Fiルータを攻撃し、無警戒なAndroidユーザを感染させる。Wi-Fiルータに感染後、ルータのDNSサーバ設定を変更し、そのネットワークに接続しているデバイスからのトラフィックを、攻撃者が管理するWebサイトにリダイレクトする。これによりユーザは、フィッシング、マルウェア、アドウェア攻撃などの危険にさらされることになる。攻撃者が作成したWebサイトの種類は2つで、中国の検索エンジン「Baidu」のAndroidアプリに偽装したものと、Wi-Fiネットワークに関する情報を共有する中国の人気アプリ「WiFi Master Key」を偽装したものが確認されている。これらのサイトはC&Cサーバとしても機能し、同サイトの感染の統計情報によると、攻撃者はこれまでに主に中国の1,280のWi-Fiネットワークへの不正アクセスに成功したとみられるという。感染に気づくことも駆除することも難しいため、同社ではまずDNS設定に「101.200.147.153」「112.33.13.11」「120.76.249.59」の不正DNSサーバがないか検索するよう勧めている。