Linux カーネル の Netfilter サブシステムにおける実装不備により権限昇格されてしまう脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.02.23(木)

Linux カーネル の Netfilter サブシステムにおける実装不備により権限昇格されてしまう脆弱性(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

◆概要
Linux カーネルにおいてパケットを処理する機能を提供するサブシステムである Netfilter に、実装不備を悪用して権限昇格が可能となる脆弱性が報告されています。脆弱なホストへの侵入に成功した攻撃者により脆弱性を悪用されることで、システムの全権限を掌握されてしまう可能性があります。カーネルのアップデートにより脆弱性に対処することが可能となっています。
----------------------------------------------------------------------
◆分析者コメント
当該脆弱性は、アクセス制御に iptables を利用している場合に影響を受けるものです。本記事で取り上げているエクスプロイトコードでは、カーネルパラメータの設定により、敢えてメモリ保護などの機能を無効化することで、脆弱性の概念実証を行っていますが、メモリ保護機能を回避する特殊な手法によって、メモリ保護機能が有効である状態でも当該脆弱性を悪用した権限昇格が可能であることが、エクスプロイトコードの開発者によって示唆されています。メモリ保護機能を有効にした状態で、当該脆弱性を悪用することができるエクスプロイトコードの公開はまだ確認されていませんが、iptables を用いて外部ホストからのアクセス制御を行っている場合は、当該脆弱性の影響を受ける可能性があるため、Linux サーバの運用者はカーネルのアップデートにより当該脆弱性に対処することを推奨します。
----------------------------------------------------------------------
◆深刻度(CVSS)
[CVSS v2]
7.2
https://nvd.nist.gov/cvss/v2-calculator?name=CVE-2016-4997&vector=(AV:L/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C)
[CVSS v3]
7.8
https://nvd.nist.gov/cvss/v3-calculator?name=CVE-2016-4997&vector=AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
----------------------------------------------------------------------
◆影響を受けるソフトウェア
バージョン 4.6.2 以前の Linux カーネルが当該脆弱性の影響を受けると報告されています。OS ベースでは、以下の OS が脆弱性の影響を受けると報告されています。

・Ubuntu 12.04 - 16.04
・SUSE Linux Enterprise 12.0

----------------------------------------------------------------------
◆解説
Linux カーネルにおいて Netfilter サブシステムに脆弱性が報告されています。Netfilter は OS においてパケットを処理する機能を提供するサブシステムであり、通信制限を行うために用いる iptables によって操作されるカーネルのサブシステムです。今回報告された脆弱性では、Netfilter サブシステムの IPT_SO_SET_REPLACE setsockopt の実装に不備があるため、一般権限ユーザでも root 権限でしかアクセスできないメモリ領域にアクセス可能となることが確認されています。ホストに侵入した攻撃者は当該脆弱性の悪用により、システムを停止させることや、一般権限ユーザから root 権限ユーザへの権限の昇格が可能となります。

《株式会社ラック サイバー・グリッド研究所》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

脆弱性と脅威 カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. Amazonやマイクロソフトを騙るフィッシングメールを確認、注意を呼びかけ(フィッシング対策協議会)

    Amazonやマイクロソフトを騙るフィッシングメールを確認、注意を呼びかけ(フィッシング対策協議会)

  2. メモリに潜んで痕跡を消す「見えない」標的型攻撃を確認(カスペルスキー)

    メモリに潜んで痕跡を消す「見えない」標的型攻撃を確認(カスペルスキー)

  3. 「WordPress」にWebサイトを改ざんされる脆弱性、すでに複数の被害を確認(JPCERT/CC、IPA)

    「WordPress」にWebサイトを改ざんされる脆弱性、すでに複数の被害を確認(JPCERT/CC、IPA)

  4. Microsoft Windows 8.1および10に脆弱性、DoS攻撃やコード実行の可能性も(JVN)

  5. 「Steam」に悪用可能なセキュリティーホールを確認(reddit)

  6. Mozilla Firefox の nsSMILTimeContainer オブジェクトにおいてメモリ処理の不備に起因する Use-After-Free の脆弱性(Scan Tech Report)

  7. IoT機器を狙う「Mirai」やその亜種の感染を目的とするアクセスが増加(警察庁)

  8. WordPress に REST API における値検証不備により遠隔から任意のコンテンツが上書き可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

  9. 攻撃者は不正接続先マシンを攻撃インフラとして使い回す--J-CSIPレポート(IPA)

  10. セキュリティ対策は最後のピース「自動化」が主流の技術に--2017年予測(ファイア・アイ)

全カテゴリランキング

特集

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×