2016.09.01(木)

オンラインバンキング悪用の不正送金、日本が標的に--緊急対策セミナー(ラック)

研修・セミナー・カンファレンス セミナー・イベント

株式会社ラックは4月14日、インターネットバンキングを悪用した不正送金への注意喚起を発表した。他国で大きな脅威となっているインターネットバンキングでの不正送金による、銀行口座から預金が盗み取られる犯罪が、日本国内でも大きな問題になる危険性が高まっている。しかし、急速に拡大した日本のインターネットバンキングにおける利用者の理解と自己防衛意識は低く、日本の金融機関が狙われていることからも被害拡大が懸念されている。そこでラックとセキュアブレインは、インターネットバンキングに関連した対策の必要性を訴えるとともに、効果的な対策を広く呼びかけている。

同日に開催された緊急対策セミナーでは、ラックのセキュリティ・コンサルタントである三宅康夫氏が「不正送金犯罪は、日本の銀行を『狙い撃ち』している状況、OSではWindows XP、Vista、7が、脆弱性ではJava、Adobe Flashが特に狙われている」と警鐘を鳴らした。不正送金に利用するマルウェアには、改ざんされたWebページの閲覧と、ウイルスメールの大きく2つの経路で感染している。これらのマルウェアはユーザの認証情報を盗み出すものものあり、100個以上のアプリケーションのパスワードを盗むものも確認されている。また、特定の銀行を狙う犯罪組織は、その攻撃傾向から3種類があるという。

株式会社セキュアブレインの取締役兼CTOである星澤裕二氏は、不正送金の手口が従来のフィッシングからマルウェアに移行しており、その割合は92.3%を占めるまでになっていると述べた。不正送金の手法には、銀行のコンテンツを改ざんしてIDやパスワード、第2暗証番号、合い言葉などを入力させ認証情報を入手する手法と、ユーザの送金処理に割り込んで送金先や金額を変更してしまう手法が多く確認されており、実際にこれらMITB攻撃ののデモを行った。

さらに株式会社Doctor Web PacificのCEOであるボリス・シャロフ氏は、ロシアにおけるネットバンキングを狙う犯罪を紹介。ロシアでは2000年代半ばから攻撃が登場し、2010年頃からロシアの主要な銀行が幅広く攻撃されたという。最近では銀行側の対策や警察による捜査が進み、攻撃は減少したが、銀行ATMへのハッキングが増えている。日本では2013年から銀行を狙うサイバー犯罪が増加しており、その原因は犯罪グループ側の手口の進化、多様化であるとボリス氏は言う。さらにスパイ活動用のOS「ZEUS GAMEOVER」について説明し、明らかに日本を狙うためのものであるとした。

株式会社ラックの取締役CTO 兼 サイバー・グリッド・ジャパンGMである西本逸郎氏は、犯罪者の執念と開発研究は果てしなく、最近のサイバー攻撃の事例について推測を示した。この状況に対し、西本氏は一般企業への対策として「銀行側の利用条件などを再確認し厳守する「基本的なこと」、「オンラインバンキングを利用する機器の管理」、そして「決済系ネットワークの管理」を挙げた。
《吉澤 亨史》

編集部おすすめの記事

特集

研修・セミナー・カンファレンス アクセスランキング

  1. Black Hat USA 2016 でプレゼンスを発揮した日本人、アーセナルで注目集めたツールたち

    Black Hat USA 2016 でプレゼンスを発揮した日本人、アーセナルで注目集めたツールたち

  2. 自動化された攻防戦 「CGC」 が 2 億円の賞金以上に与えたインパクト

    自動化された攻防戦 「CGC」 が 2 億円の賞金以上に与えたインパクト

  3. [レポート] セキュリティに賭するもの ~ インターポール 福森大喜氏 セキュリティ・キャンプ2016 特別講義

    [レポート] セキュリティに賭するもの ~ インターポール 福森大喜氏 セキュリティ・キャンプ2016 特別講義

  4. [インタビュー] 鵜飼裕司 今年の Black Hat USA 2016 注目 Briefings

  5. Black Hat USA 2016 , DEFCON 24 を 128 倍楽しむ方法

  6. プライバシーに配慮したセキュアな位置情報確認アプリを防災訓練の見える化に活用(サイバートラスト、ユビキタス)

  7. [DEF CON 22 レポート] binja DEFCON22 CTF参戦レポート

  8. [RSA Conference 2016 USA] EDR (Endpoint Detection and Response)とは? ~ タニウム社 チーフセキュリティアーキテクトに聞く

  9. 高度IT人材の発掘~セキュリティ・キャンプの応募課題がすごすぎる件

  10. スマホ・ネットルールを啓発、「ネットいじめ防止授業」を公開(堺市教育委員会)

  11. [Black Hat USA 2015] “無名”の日本のサイバーセキュリティ製品が Black Hat に挑戦するまで

  12. 新種のマルウェアを用いて既存のアンチウイルス製品の検知率を測定(MOTEX、米Cylance Inc.)

  13. セキュリティ・キャンプの参加者51名が決定、最年少は15歳(IPA)

  14. CODE BLUE 第 3 回をふりかえって~ BLUE 篠田佳奈氏インタビュー

  15. [DEF CON 23] 正しい標的型攻撃メール訓練の運用法、ソーシャルエンジニアリングの国際的権威クリス・ハドナジーに聞く

  16. デロイト流「なんちゃってCSIRT」再生3つのアプローチ

  17. Twitterから災害状況を地区別に要約する事を可能としたシステムを参考展示(NICT)

  18. CODE BLUE 2015 セッションレポート 第1回 「21世紀の途上国にならないために ~ シンギュラリティがやってくる (神戸大学名誉教授 松田 卓也 氏) 」

  19. [Black Hat USA 2014 レポート] 標的型攻撃実証ツールをBlack Hat USA 2014で公開、マクニカネットワークス セキュリティ研究センター 凌研究員

  20. 決勝戦はプラハ、セキュリティ人材育成コンテスト優勝者に教育資金1万ドル(カスペルスキー)

アクセスランキングをもっと見る

★~(=^・ω・^)ノ☆★9月15日まで ノベルティや海外カンファレンスのお土産大放出キャンペーンを実施中 ★★
★~(=^・ω・^)ノ☆★9月15日まで ノベルティや海外カンファレンスのお土産大放出キャンペーンを実施中 ★★

登録すれば、記事一覧、人気記事ランキング、BASIC 会員限定記事はもちろんのこと、掲載された全ての限定コンテンツに、フルアクセスが可能となります。

×