11月24日から26日にかけて、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)主催の「Internet Week 2010」が、秋葉原の「富士ソフトアキバプラザ」で開催される。今回で14年目となる Internet Week は、年に一度インターネットに関わる技術の研究・開発や、構築・運用・サービスの関係者が一堂に会し、ここ1年間の最新動向を把握する非商用イベントである。本稿では、Internet Week 2010の合計25セッションのうち、情報セキュリティに関する7セッションに絞って、各セッションのコーディネーターに、なぜそのセッションが開催されるのか意義や背景を聞く。第4回となる今回は、開催2日目、11月25日の午後に行われるプログラム「インターネットとこれからの認証基盤〜HOWからWHATへ〜」について、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンターの木村泰司氏に取材した。Internet Week 2010https://internetweek.jp/─このプログラムを設けられた背景や目的は何でしょうか?今年、認証基盤を巡る議論の方向性が少し変わって来ていることが背景にあります。─どのように変わって来たのでしょうか?これまでの10年は、どのように認証基盤を整備するのか、すなわちHOWの議論を主に行ってきました。そのため、どのような認証局を構築するのか、どのような電子署名なのかといった議論が注目されてきました。しかしヨーロッパの国々や米国は状況が異なっています。例えばエストニアの電子政府は「バックオフィス連携」と呼ばれ、認証基盤によって行政サービスの「ユーザー利便性向上」が図られています。また同時にユーザー自身が自分の情報の利用履歴を監視でき、「安心」を実現する形が見えてきています。また、2010年は日本における国民IDの議論も盛んに行われましたが、まだ展望が見えにくい状況です。今後、認証基盤によってどんな社会が実現されるのか、認証基盤自体ではなく、「便利で情報の安全な社会」にするための議論を行う必要があるでしょう。このように、実現方法を考えてきたHOWの時代から、行政サービスのワンストップ化のように実現目標を考えるWHATの時代になりつつあると言えるのです。そこで、今の日本に、WHATとして何があるのかを来場者と共有し、その上で取り組むべき課題の理解を深める目的で、このプログラムを用意しました。─プログラムの内容はどのようなものでしょうか?まずインターネットを用いた海外の電子政府の事例を紹介します。その後、国内の話題として、国民IDとトラストフレームワーク、民間における電子認証の現状と課題について解説します。続けてタイムスタンプの利活用事例を紹介し、最後に登壇者全員による「10年後の認証基盤」と題したパネルディスカッションを行います。─プログラムの対象者はどのような方ですか?特に、インターネットにおけるオンラインの認証に興味のある方、インターネットを使ったビジネスや電子政府に興味のある方に聴いていただければと思っています。─最後に、読者にメッセージをお願いします。認証基盤が、どういう仕組みか、という点よりも、それによって社会で何が実現されるのかに注目して、講演を聴いていただければと思います。また、講演者は各分野で活発に議論に参加をされている方々です。最近の論点や議論を知っていただくとともに、今後は「HOWではなくWHAT」、どんな認証基盤かではなく、何を実現するのか、という観点でディスカッションに参加していただきたいと考えています。●アジェンダ「S11 インターネットとこれからの認証基盤〜HOWからWHATへ〜」開催日時:2010年11月25日(木) 13:00〜15:30会場:富士ソフト アキバプラザ料金:事前料金 5,000/当日料金 7,000URL:https://internetweek.jp/program/s11/13:00〜13:10 1) インターネットとこれからの認証基盤木村 泰司(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)13:10〜13:30 2) 海外における先進的な電子政府の認証基盤松本 泰(セコム株式会社 IS研究所)13:30〜13:50 3) 国民IDとトラストフレームワーク崎村 夏彦(OpenID Foundation) 13:50〜14:10 4) 民間における電子認証の現状と課題高橋 伸和(日本ベリサイン株式会社) 14:10〜14:30 5) ICT社会に安全・安心な“When”を提供する「タイムビジネス」柴田 孝一(タイムビジネス協議会) 14:30〜15:30 6) パネルディスカッション:10年後の認証基盤モデレータ:木村 泰司(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)パネリスト:松本 泰(セコム株式会社 IS研究所) 崎村 夏彦(OpenID Foundation) 高橋 伸和(日本ベリサイン株式会社) 柴田 孝一(タイムビジネス協議会)※特典:このセッションにお申込いただいた方でご希望の方全員に「Scan Tech Report(スキャン テック レポート)」の購読(有料:個人年間9,840円)を無料でプレゼントします。※時間割、内容、講演者等につきましては、予告なく変更になる場合があります。