海外における個人情報流出事件とその対応「巨大ボットネットを操る23歳のスパム王逮捕 」(2)最大のスパム提供者はロシア人 | ScanNetSecurity
2024.04.20(土)

海外における個人情報流出事件とその対応「巨大ボットネットを操る23歳のスパム王逮捕 」(2)最大のスパム提供者はロシア人

●最大のスパム提供者はロシア人
SmithとAtkinson兄弟はこうして世界中のスパマーを利用。テキストと自分たちのサイトへのハイパーリンクを提供して、スパムメールを作成、送信を依頼していた。連邦取引委員会では、スパマーは米国、オーストラリア、ニュージーランド、

国際 海外情報
●最大のスパム提供者はロシア人
SmithとAtkinson兄弟はこうして世界中のスパマーを利用。テキストと自分たちのサイトへのハイパーリンクを提供して、スパムメールを作成、送信を依頼していた。連邦取引委員会では、スパマーは米国、オーストラリア、ニュージーランド、中国、インド、ロシア、カナダにいて、コミッションの支払いを受けていたと説明する。そして、Lance Atkinsonは最大のスパムメール送信者はロシア人だと証言した。

2008年の初めにセキュアワークスのマルウェア研究部長がMegaDボットネットがAffkingの商品を扱っていたことも確認していた。セキュアワークスによると、MegaDボットネットによるスパム送信は一日あたり100億件だ。全スパムの32%が関係しているとしていた。

一方、Lance Atkinsonが取調べで、インターネット支払いシステムePassporteで、ロシア人のスパムメール送信者が用いていたアカウントの名前を話した。そこでFBIがePassporteを調べて、ロシアに住所を持つ“Oleg Nikolaenko”の名前が浮上してきた。ePassporteからgmailのe-mailアドレスも分かっている。

Nikolaenkoが持つePassporteのアカウントにLance Atkinsonは2007年6月6日から12月14日の間に50万ドル近い金額を支払っている。さらにgmailアカウントを調べると、持ち主はやはり“Oleg Nikolaenko”であることが分かった。

FBIでは捜査令状を得て、gmailアカウントを詳しく調べている。そして、アカウントの持ち主がAtkinsonとビジネス関係にあり、スパムメールのサンプルなどをやりとりしていたことを確認したほか、ネットユーザーのマシンをボット化するための実行ファイルも見つけた。セキュリティ企業は、この実行ファイルはMegaDボットのマルウェアと関係していることを確認した。

Lance Atkinsonの逮捕にはオーストラリアやニュージーランドの捜査当局が協力したが、Oleg Nikolaenkoに関しては、ロシア政府の協力は得ていない。FBIでは出入国記録を調べて、1987年7月17日生まれの“Oleg Nikolaenko”がePassporteに登録していたのと同じ住所に住み、2009年の6月と11月に米国を訪れていたことを知った。

さらに11月の訪問ではラスベガスでのSpecialty Equipment Market Associationカーショーに出席したということで、FBIでは今年もNikolaenkoがカーショーのために訪米すると考えた。Nikolaenkoはニューヨーク経由でベガスに入ったところを逮捕された。

Shane Atkinsonについては、ニュージーランドの内務省が高等裁判所に対して、20万NZドルの罰金を求めていたが、2008年12月に10万ドルの判決が出た。共犯者のLance Atkinsonは2005年に米国で200万ドルの罰金を支払う命令が出ている。すなわち判決後も、スパムメール配信活動を続けていたことになる。今回、再び罰金命令が出たが、スパムメール配信をやめるかは疑問だ。

Oleg Nikolaenkoは現在、罪状を否認して、裁判を待っている。

(バンクーバー新報 西川桂子)
《ScanNetSecurity》

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×