「情報を収集? 盗むんでしょ。相手もプロだよ。つまり危険。手伝おうか?」
「待ってよ! 工藤さんもうるさく連絡されて困ってるんでしょ? だったらちょうどいい。あたしから依頼料をもらいながら自分の問題も解決できる。あたしも手伝ってあげる。つまり最高」
それにしても夏神の顔はどこかで見たことがある。オレが若い女の顔を見るなんて、そんなにあることじゃない。あれはどこだったか……
「工藤さんですよね。ここで無視したら部屋までゆきますよ。つまり無視は無意味」
金額をきいて喜びそうになった自分が悲しい。オレの反応に気づいた廃島はかすかに笑みを浮かべる。見透かされた。さっきの作り笑いに比べると、自然で嫌味だ。こいつは性格が悪い。
「尾行? そんなムダの多いことはしません。我々は工藤さんがどこに行っていつ頃帰ってくるか知っていただけです」
工藤さんが囮になって内情を知らせてくれるとありがたいですね。きっとB級ハッカー工場みたいなところで働かされるんだと思います
なるほど……でもそれはやっかいですね。外部からそこまで調べる方法を持っているということですよね?
どこといって特徴のない声だ。妙に淡々と落ち着いているのが気味悪い。それにしても電話番号まで把握されているのは驚きだ。
よくあるスパムの一種ではない。なぜなら書いてあることが全て事実だ。言葉使いはていねいだが、どうみても脅迫だろう。会ってオレから金を巻き上げるつもりなのか?
自称革命家だけあって、自分たちが革命を起こすことを夢見て話している。普通の女の子なら恋愛話だろ。こいつらのガールズトークは金と暴力と政治だ。
「父親と母親のどっちを自分の手で殺したい? 両方でもいいけど、最初はきついと思う」
アマチュアによる Twitter 投稿等の炎上対応に四苦八苦しているのが現状の日本企業が、もし IRA(ロシアのネット世論操作組織)のような洗練された本格的方法で、計画的組織的に攻撃を受けた場合、どのような対処が可能なのでしょうか。
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