サイバー攻撃者自身に聞く防衛ラインの目安(米Palo Alto Networks) | ScanNetSecurity
2024.04.16(火)

サイバー攻撃者自身に聞く防衛ラインの目安(米Palo Alto Networks)

 サイバー攻撃者の年収はどのくらいなのか? 準備時間は? サイバー攻撃をあきらめるのはどのくらいの時間か?――そんなセキララな内容を「サイバー攻撃者自身」にアンケートした結果が公開されている。米Palo Alto Networksが2月に発表したものだ。

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 サイバー攻撃者の年収はどのくらいなのか? 準備時間は? サイバー攻撃をあきらめるのはどのくらいの時間か?――そんなセキララな内容を「サイバー攻撃者自身」にアンケートした結果が公開されている。米Palo Alto Networksが2月に発表したものだ。

 この調査「Flipping the Economics of Attacks(攻撃の経済的価値の反転)」は、米、英、ドイツで2015年11月に行われ、「サイバー攻撃に詳しい」とされる匿名の個人379人から回答を得ている。回答者の79%は「自分は攻撃者コミュニティに参加している」と回答しているが、身元を隠すための回答で、おそらく実数はさらに高いと思われる。またコミュニティに参加していなくても「詳しい」だけでなく「実際に攻撃に荷担している」回答者も多そうだ。

 この調査結果によると、平均的な攻撃活動から得られる年収は3万ドル未満(約342万円)だった。これはサイバーセキュリティ専門家の年間平均賃金の4分の1程度だという。

 技術的に熟練したサイバー攻撃者に、攻撃の準備期間を聞くと、「一般的なセキュリティ対策の組織」で70時間、「優れたITセキュリティインフラストラクチャを持つ組織」で147時間を必要としていた。一方で、全体の72%が、「高価値の情報がすぐに得られない攻撃には、無駄な時間を使わない」としており、サイバー攻撃成功までに「40時間」かかると、そこで離脱してしまい、最大60%の攻撃が途絶えることも明らかになった。技術的に熟練した攻撃者でも、「209時間」攻撃が成功しないと別の標的に移動すると回答した。「40時間」と「200時間」というのが防衛ラインの目安となりそうだ。

 このことから、攻撃される側は、自社セキュリティを「検出」「漏えい防止」だけでなく「侵害予防」にも重点を置き、サイバー攻撃を十分に足止めすることが重要だと言える。また次世代ファイアウォール、ネットワークインテリジェンス、脅威情報の共有のようなセキュリティ製品を連携させるソリューションも有効だろう。

「サイバー攻撃者」本人たちにアンケート、年収や準備期間、あきらめるタイミングが判明

《冨岡晶@RBB TODAY》

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