●サイバー保険は成立するか?
前半では、損害保険が成立する条件として、次の6つのポイントを挙げてみた。保険の学問的なアプローチからはこんな乱暴な整理は無いと思うけど、現実性で考えると、このあたりをクリアしないと商品としても、営利企業としても難しくなってくる。そもそも儲かる保険だったら、既にもっといくつもの損害保険が参入して競争になっているはずだ。後半では、それぞれの条件をサイバー保険に当て嵌めてみようと思う。
ゼロディに近いケースで、多くの会社が一斉に攻撃された場合、被保険者が多すぎて被害査定に時間がかかってしまう。被害査定に時間がかかる一方で、時間とともに証拠が消えていくのがサイバー保険の難しいところだ。
大英図書館には多くの個性がある。独特の複雑な役割分担があり、それは法律で独自に規制されている。別の見方をすれば、ITインフラストラクチャは古くから確立されたコアサービスとの間でリソースを奪い合い、しばしば失敗するという点で、国やその他の大規模な組織の典型である。大英図書館の状況も、うまくいかないことの壮大な例にすぎない。
興味深い研究発表として、イスラエル工科大学やコーネル工科大学などの研究者は、OpenAI の ChatGPT や Google の Gemini など、生成 AI を活用する AI アプリケーションを標的としたゼロクリックワーム「Morris II」を開発し、ユーザーの個人情報の窃取に成功したことを発表しました。
新しい暴力の形としてノン・ステート・ウォーが増えている。ハッキングやデジタル影響工作など新しい攻撃方法が幅広く用いられており、全領域での戦いとなっている。そして、戦闘の担い手の多くは民間企業である。日本も例外ではない。日本は軍事に関しては敏感だがそれ以外は寛容だ。