MySQL の HANDLER ステートメント処理に起因する DoS の脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

MySQL の HANDLER ステートメント処理に起因する DoS の脆弱性(Scan Tech Report)

MySQL には、特定の HANDLER ステートメントを処理した場合に、サービス運用妨害 (DoS) が発生する脆弱性が存在します。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
1.概要
MySQL には、特定の HANDLER ステートメントを処理した場合に、サービス運用妨害 (DoS) が発生する脆弱性が存在します。
データベースにアクセス可能なリモートの第三者に利用された場合、MySQL サーバを不正に停止される可能性があります。
脆弱性を悪用された場合の影響度が高いため、対象のユーザは可能な限り以下の対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
CVE-ID 未割り当てのため、現状なし


3.影響を受けるソフトウェア
MySQL 5.1.61 以前
MySQL 5.5.21 以前

※影響を受けるバージョンの MySQL が含まれる、Linux ディストリビューションにおいても、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。


4.解説
HANDLER ステートメントは、MySQL のストレージエンジンを直接操作することが可能な SQL ステートメントであり、InnoDB/MyISAM テーブルに対して有効です。

MySQL には、row_search_for_mysql() 関数 (storage/innobase/row/row0sel.c)において、削除したレコードに対する HANDLER READ NEXT ステートメントの取り扱いに不備があるため、アサーションエラーが発生し、mysqld がクラッシュする脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、データベースにアクセス可能なリモートの攻撃者は、MySQL サーバをサービス不能状態にする可能性があります。

なお、mysqld_safe 経由で mysqld を起動している場合は、mysqld がクラッシュ後、ランタイム情報をログファイルに記録し、自動的に再起動します。

この脆弱性は InnoDB ストレージエンジンを利用する環境が影響を受けます。


5.対策
以下の Web サイトより、MySQL 5.1.62/5.5.22 以降を入手しアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。

MySQL Downloads:
http://www.mysql.com/downloads/

MySQL Documentation Changes in MySQL 5.1.62
http://dev.mysql.com/doc/refman/5.1/en/news-5-1-62.html
MySQL Documentation Changes in MySQL 5.5.22
http://dev.mysql.com/doc/refman/5.5/en/news-5-5-22.html


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×