>>第一回から読む
「わかってるくせにしらばっくれてもだめだよ。じたばたすると刑事告訴されて前科ついちゃうよ」
犯人は無言だ。おそらく言い逃れる方法を考えているんだろう。考えさせちゃだめだ。警察に届けられない分、こっちの方が不利なんだ。
「もう少しわかりやすく説明するよ。昨日の会議は罠だったんだ。あれでシステム部の誰かが動き出すのを待ってたんだ。オレたちは和田さんを疑ってたわけじゃない。ただ、誰かを囮にする必要があったんだ。和田さんを疑っていると言えば、犯人が和田さんを陥れるようなことをすると思ったのさ。案の定、今日の早朝に新しい和田さんのIDとパスワードでサーバにアクセスがあった。パソコンから脅迫に使われたファイルも見つかった。これでもう決定だ」
「じゃあ、犯人は和田さんでしょ?」
「違うんだな。今朝、犯人が使ったパソコンは、和田さんのじゃないんだよ。昨日、和田さんに別のパソコンを使うように指示して、古いものは囮に置いておいたんだ。だから彼女は席についてもパソコンを使わなかっただろ。その囮のパソコンには、昨日の段階では脅迫用のファイルなんかなかった。だから、今日パソコンを使ったヤツが犯人ってことになる。パソコンにログインするIDとパスワードはメールを盗聴して手に入れたんだろ?」
「わかってるくせにしらばっくれてもだめだよ。じたばたすると刑事告訴されて前科ついちゃうよ」
犯人は無言だ。おそらく言い逃れる方法を考えているんだろう。考えさせちゃだめだ。警察に届けられない分、こっちの方が不利なんだ。
「もう少しわかりやすく説明するよ。昨日の会議は罠だったんだ。あれでシステム部の誰かが動き出すのを待ってたんだ。オレたちは和田さんを疑ってたわけじゃない。ただ、誰かを囮にする必要があったんだ。和田さんを疑っていると言えば、犯人が和田さんを陥れるようなことをすると思ったのさ。案の定、今日の早朝に新しい和田さんのIDとパスワードでサーバにアクセスがあった。パソコンから脅迫に使われたファイルも見つかった。これでもう決定だ」
「じゃあ、犯人は和田さんでしょ?」
「違うんだな。今朝、犯人が使ったパソコンは、和田さんのじゃないんだよ。昨日、和田さんに別のパソコンを使うように指示して、古いものは囮に置いておいたんだ。だから彼女は席についてもパソコンを使わなかっただろ。その囮のパソコンには、昨日の段階では脅迫用のファイルなんかなかった。だから、今日パソコンを使ったヤツが犯人ってことになる。パソコンにログインするIDとパスワードはメールを盗聴して手に入れたんだろ?」